Claude Codeは「使う」ものだが、Agent SDKは「作る」ためのものだ。自分だけのAIエージェントを構築し、特定のワークフローを自動化する。
Agent SDKとは
Claude Agent SDKは、カスタムAIエージェントをプログラマティックに構築するためのフレームワークだ。
Claude Codeとの違い:
| Claude Code | Agent SDK | |
|---|---|---|
| 用途 | 対話的な開発支援 | カスタムエージェント構築 |
| 操作 | ターミナルで対話 | コードで定義 |
| ツール | 組み込みツール群 | 自分で定義 |
| デプロイ | ローカル実行 | サーバー/CI/CD統合 |
基本構成
エージェントの定義
import { Agent } from 'claude_agent_sdk'
const medicalReviewer = new Agent({
name: 'medical-reviewer',
model: 'claude-sonnet-4-6',
instructions: `
あなたは医療コンテンツレビューの専門家です。
提供されたコンテンツの医学的正確性を評価し、
エビデンスレベルを判定してください。
`,
tools: [checkPubMed, evaluateEvidence, generateReport]
})
ツールの定義
const checkPubMed = {
name: 'check_pubmed',
description: 'PubMedで関連文献を検索する',
parameters: {
type: 'object',
properties: {
query: { type: 'string', description: '検索クエリ' },
max_results: { type: 'number', default: 5 }
}
},
execute: async ({ query, max_results }) => {
// PubMed API呼び出し
const results = await searchPubMed(query, max_results)
return JSON.stringify(results)
}
}
ガードレール
エージェントの安全性を担保する仕組み。
入力ガードレール
const inputGuard = {
name: 'phi-detector',
description: '個人健康情報の検出',
check: async (input) => {
if (containsPHI(input)) {
return {
block: true,
reason: '個人健康情報が含まれています'
}
}
return { block: false }
}
}
出力ガードレール
const outputGuard = {
name: 'medical-disclaimer',
description: '医療免責事項の付加',
transform: async (output) => {
return output + '\n\n※ この情報は参考目的です。診断・治療は医師にご相談ください。'
}
}
マルチエージェント構成
複数のエージェントを連携させるパターン。
パイプライン型
文献検索エージェント → 批判的吟味エージェント → レポート生成エージェント
各エージェントが前段の出力を入力として受け取り、処理を進める。
オーケストレーター型
┌→ 文献検索エージェント ──┐
管理者 ─┤ ├→ 管理者 → レポート
└→ 統計解析エージェント ──┘
管理者エージェントがタスクを分配し、結果を統合する。
ユースケース
1. 自動コードレビューBot
PRが作成されるたびに、Agent SDKで構築したレビューBotが自動的にコードをチェック。GitHub Webhookと連携。
2. 医療文書プロセッサー
紹介状や退院サマリーのドラフトを、テンプレートと患者情報から自動生成。
3. 研究アシスタント
文献検索→批判的吟味→エビデンステーブル作成を自動化するパイプライン。
デプロイ
Agent SDKで構築したエージェントは、様々な環境にデプロイできる。
- ローカル: 開発・テスト用
- サーバー: REST API として常時稼働
- CI/CD: GitHub Actions 等から呼び出し
- Webhook: イベント駆動で自動実行
この章のポイント
- Agent SDKはカスタムAIエージェントをプログラマティックに構築するフレームワーク
- ツール定義でエージェントの能力を拡張し、ガードレールで安全性を担保する
- パイプライン型・オーケストレーター型のマルチエージェント構成が可能
- コードレビューBot、医療文書プロセッサー、研究アシスタント等のユースケース
- ローカル、サーバー、CI/CD、Webhook等にデプロイ可能