ふたりナビ みなと先生のくらしガイド Vol.6
「扶養に入る?入らない?」――結婚後の健康保険・年金を完全理解
今号のポイント
- 共働きで双方に社保がある場合はそのまま継続。特別な手続き不要
- 扶養に入ると健康保険料・年金保険料の自己負担がゼロになる(年収130万円未満が条件)
- 国保から社保の扶養に切り替える場合、国保の脱退届を忘れずに
こんにちは。くらしアドバイザーのみなと先生です。
結婚すると**「健康保険はどうなるの?」「扶養に入った方がいいの?」**という疑問が出てきます。特に退職や転職を伴う場合は手続きが複雑になりがちです。
今回は、結婚後の健康保険と年金について、パターン別に分かりやすく解説します [1][2]。
Q1.「結婚したら保険・年金はどうなりますか?」
新婚さん「結婚したら健康保険や年金の手続きは必要ですか?」
みなと先生「結婚後の保険・年金の扱いは夫婦の働き方によって異なります [1]。主なパターンを整理しましょう」
| パターン | 健康保険 | 年金 | 主な手続き |
|---|---|---|---|
| 共働き(双方に社保) | 各自の社保を継続 | 各自の厚生年金を継続 | 氏名変更のみ(勤務先経由) |
| 一方が退職→扶養に入る | 勤務先の社保の扶養 | 第3号被保険者 | 被扶養者異動届(勤務先経由) |
| 一方が退職→扶養に入らない | 国保に加入 or 任意継続 | 国民年金に加入 | 市区町村窓口で手続き |
| 双方が自営業 | 国保のまま | 国民年金のまま | 氏名変更を市区町村窓口で |
新婚さん「共働きの場合はほとんど手続きがないんですね」
みなと先生「はい。共働きで双方が勤務先の社会保険に入っている場合は、氏名変更(改姓した方のみ)を勤務先に届け出るだけです [1]。保険証の書き換え等は勤務先が手配してくれます」
みなと先生「一方が退職する場合が最も手続きが多くなります。次のQ2で扶養に入る条件を詳しく説明しますね」
Q2.「扶養に入る条件は何ですか?」
新婚さん「退職して扶養に入りたいのですが、条件を教えてください」
みなと先生「社会保険の扶養(被扶養者)に入るには、いくつかの条件を満たす必要があります [2][3]」
| 条件 | 詳細 |
|---|---|
| 年収要件 | 年収130万円未満(今後12ヶ月の見込み額) |
| 収入基準 | 被保険者(配偶者)の年収の2分の1未満 |
| 同居要件 | 配偶者と同居(別居の場合は仕送り額等の条件あり) |
| 続柄 | 配偶者(事実婚含む)であること |
新婚さん「年収130万円って、所得とは違うんですか?」
みなと先生「はい、ここが混同しやすいポイントです [2]」
| 用語 | 意味 | 使われる場面 |
|---|---|---|
| 年収(収入) | 給与等の総額(税金・社会保険料が引かれる前) | 社会保険の扶養判定(130万円の壁) |
| 所得 | 年収から給与所得控除等を差し引いた額 | 税金の配偶者控除判定(48万円の壁) |
みなと先生「社会保険の扶養は**"年収"130万円未満で判定されます。一方、税金の配偶者控除は"所得"48万円以下**(給与年収103万円以下に相当)で判定されます。混同しないよう注意してください [2][3]」
新婚さん「130万円は"今後の見込み"ということは、退職した時点で判断されるんですか?」
みなと先生「はい。過去の年収ではなく、今後12ヶ月の見込み年収で判定されます [3]。たとえ今年1月〜9月に200万円稼いでいても、10月に退職して今後の月収がゼロであれば、扶養に入れます。ただし失業給付(雇用保険の基本手当)を受給する場合、日額3,611円以上だと受給期間中は扶養に入れないので注意が必要です」
Q3.「扶養に入る手続きはどうすればいいですか?」
新婚さん「扶養に入りたい場合、どこで何をすればいいですか?」
みなと先生「扶養に入る手続きは配偶者の勤務先を通じて行います [2][3]」
手続きの流れ:
| ステップ | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
| 1 | 配偶者の勤務先に「被扶養者になりたい」と連絡 | 結婚後(または退職後)速やかに |
| 2 | 「被扶養者(異動)届」を記入 | 勤務先が書式を用意 |
| 3 | 必要書類を添付して勤務先に提出 | 事実発生日から5日以内 |
| 4 | 勤務先が年金事務所に届出 | 勤務先が手配 |
| 5 | 新しい健康保険証が届く | 届出から2〜3週間 |
必要書類:
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 被扶養者(異動)届 | 勤務先経由で取得 |
| 婚姻届受理証明書または戸籍謄本 | 婚姻事実の確認 |
| 住民票(続柄記載あり) | 同居の確認 |
| 収入を確認する書類 | 退職の場合:離職票、源泉徴収票等 |
| 国民年金第3号被保険者該当届 | 被扶養者届と一緒に提出 |
新婚さん「5日以内というのは厳しいですね」
みなと先生「実務上は多少遅れても対応してもらえることが多いですが、届出が遅れるとその間は無保険状態になる可能性があります [3]。結婚が決まった時点で、配偶者の勤務先に事前に相談しておくのがベストです」
Q4.「国民健康保険から社保の扶養に切り替えるには?」
新婚さん「今まで国民健康保険に入っていたのですが、結婚を機に配偶者の社保の扶養に入りたいです」
みなと先生「国保から社保の扶養への切り替えは2つの手続きが必要です [2][4]」
ステップ1: 社保の扶養に入る手続き
- Q3で説明した通り、配偶者の勤務先を通じて被扶養者届を提出
- 新しい健康保険証を受け取る
ステップ2: 国保の脱退届を提出
- 新しい健康保険証を持って市区町村の窓口で国保の脱退届を提出
- この手続きを忘れると二重払いになります
| よくあるミス | 影響 | 対策 |
|---|---|---|
| 国保の脱退届を出し忘れる | 国保料と社保料の二重払い | 新しい保険証が届いたら即手続き |
| 社保の資格取得前に国保を脱退 | 無保険期間が発生 | 必ず新しい保険証を受け取ってから脱退 |
新婚さん「二重払いになるのは困ります!」
みなと先生「国保は自動的には脱退にならないので、必ずご自身で脱退届を出す必要があります [4]。ただし、もし二重払いしてしまった場合は、申請すれば過払い分は還付されます。気づいたら早めに市区町村窓口に相談してください」
Q5.「2026年の社会保険で注意すべき変更点はありますか?」
新婚さん「社会保険のルールがよく変わると聞きます。最新の注意点を教えてください」
みなと先生「社会保険は近年、大きな改正が続いています。結婚を機に知っておきたいポイントをまとめます [5][6]」
知っておきたい最新の動向:
1. 短時間労働者への社会保険適用拡大
| 時期 | 対象企業 |
|---|---|
| 2024年10月〜 | 従業員51人以上の企業 |
従業員51人以上の企業でパート・アルバイトとして働く場合、以下の条件をすべて満たすと社会保険に加入する義務があります [5]。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が8.8万円以上(年収約106万円以上)
- 2ヶ月を超える雇用見込み
- 学生でないこと
2. 130万円の壁対策
扶養内で働いている方が一時的に年収130万円を超えた場合でも、事業主がそれを証明すれば、直ちに扶養から外れない措置が設けられています [6]。繁忙期に残業が増えて一時的に超えてしまった場合などに適用されます。
3. 確認しておきたいこと
| 確認事項 | 理由 |
|---|---|
| 配偶者の勤務先の社保ルール | 企業によって扶養認定の運用が異なる場合がある |
| 自分の年収見込み | 130万円の壁を意識した働き方の計画 |
| 失業給付の日額 | 扶養に入れるかどうかに影響する |
みなと先生「社会保険の制度は毎年のように見直しが行われています。配偶者の勤務先の人事担当者に最新の扱いを確認するのが確実です [6]」
まとめ
結婚後の健康保険・年金のポイントを整理します。
- 共働きで双方に社保があれば、氏名変更のみで特別な手続きは不要
- 扶養に入る条件は年収130万円未満(今後12ヶ月の見込み)。"年収"と"所得"の違いに注意
- 扶養に入る手続きは配偶者の勤務先経由。事実発生日から5日以内が期限
- 国保から社保への切り替え時は国保の脱退届を忘れずに。二重払い防止
- 社会保険の適用拡大が進んでいる。パート・アルバイトの方は要確認