ふたりナビ みなと先生のくらしガイド Vol.20
「入籍しないとダメ?」――事実婚とパートナーシップ制度を知る
今号のポイント
- 事実婚でも社会保険の扶養や遺族年金の対象になれる
- 相続権と配偶者控除は法律婚のみ
- パートナーシップ宣誓制度で行政サービスの一部が利用可能に
こんにちは。くらしアドバイザーのみなと先生です。
結婚のかたちは多様化しています。**事実婚(内縁関係)**を選ぶカップルや、パートナーシップ制度を利用するカップルも増えています。今回はそれぞれの制度と法律婚との違いを整理します。
Q1.「事実婚と法律婚の違いは何ですか?」
新婚さん「婚姻届を出さない"事実婚"を考えています。法律婚とどう違いますか?」
みなと先生「主な違いをまとめました [1]」
| 項目 | 法律婚 | 事実婚 |
|---|---|---|
| 婚姻届 | 提出する | 提出しない |
| 戸籍 | 同一戸籍 | 別戸籍のまま |
| 姓 | 夫婦同姓 | 別姓を維持できる |
| 社会保険の扶養 | 可能 | 可能 |
| 遺族年金 | 受給可能 | 受給可能 |
| 配偶者控除 | 適用 | 適用されない |
| 相続権 | あり | なし |
| 子どもの嫡出推定 | あり | なし(認知が必要) |
| 医療の同意 | 可能 | 制限される場合あり |
みなと先生「事実婚の最大のメリットは別姓を維持できること。最大のデメリットは相続権がないことと配偶者控除が使えないことです [1]」
Q2.「住民票にはどう記載しますか?」
新婚さん「事実婚の場合、住民票はどうなりますか?」
みなと先生「同居する場合、住民票の続柄欄に**『未届の妻』『未届の夫』**と記載できます [2]」
| 続柄の種類 | 意味 |
|---|---|
| 妻(夫) | 法律婚の配偶者 |
| 未届の妻(夫) | 事実婚の配偶者 |
| 同居人 | 同居しているだけの関係 |
みなと先生「『未届の妻(夫)』と記載することで、事実婚関係の公的な証明になります [2]。社会保険の扶養や各種手続きで事実婚を証明する際に使えます。届出は市区町村の窓口で行います」
Q3.「事実婚で社会保険の扶養に入れますか?」
新婚さん「事実婚でも健康保険の扶養に入れると聞きましたが本当ですか?」
みなと先生「はい。健康保険と国民年金の第3号被保険者は、事実婚の配偶者も対象です [3]」
| 制度 | 事実婚での適用 |
|---|---|
| 健康保険の被扶養者 | 可能(年収130万円未満等の条件あり) |
| 国民年金第3号被保険者 | 可能 |
| 遺族年金 | 可能 |
| 配偶者控除(税金) | 不可 |
| 相続税の配偶者控除 | 不可 |
みなと先生「手続きの際は、事実婚関係を証明するために**住民票(未届の妻/夫と記載されたもの)**の提出が求められます [3]」
Q4.「パートナーシップ宣誓制度とは何ですか?」
新婚さん「パートナーシップ制度について教えてください」
みなと先生「パートナーシップ宣誓制度は、法律上の婚姻ができない、またはしないカップルがパートナー関係を自治体に届け出る制度です [4]」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 同性カップル、事実婚カップル等(自治体により異なる) |
| 法的効力 | 法律上の婚姻関係は生じない |
| 取得できるもの | パートナーシップ宣誓受領証(証明書) |
| 利用できるサービス | 公営住宅の申込み、病院での面会、一部の民間サービス |
| 手数料 | 無料〜数百円(自治体による) |
みなと先生「港区でもパートナーシップ宣誓制度が導入されています [4]。宣誓受領証があると、携帯電話の家族割引や生命保険の受取人指定で認められる場合があります」
Q5.「事実婚で注意すべき点はありますか?」
新婚さん「事実婚を選ぶ場合に備えておくべきことはありますか?」
みなと先生「特に相続と万が一の備えについて対策が必要です [1][5]」
必ず準備すべきこと:
- 遺言書の作成 ─ 事実婚の配偶者には相続権がないため、遺言書がないと財産を受け取れない
- 生命保険の受取人指定 ─ 事実婚の配偶者を受取人にできる保険会社が増えている
- 任意後見契約 ─ 万が一の判断能力低下時の備え
- 医療に関する事前指示書 ─ 手術等の同意権がない場合の備え
みなと先生「事実婚を選ぶ場合は、公正証書で契約書を作成しておくことを強くおすすめします [5]。パートナー間の権利義務を明文化しておくことで、いざという時のトラブルを防げます」
まとめ
- 事実婚のメリット: 別姓維持、社会保険の扶養は可能
- 事実婚のデメリット: 相続権なし、配偶者控除なし
- パートナーシップ制度: 港区でも導入済み。一部の行政サービスで利用可能
- 備え: 遺言書・生命保険・公正証書で法的保護を確保