ふたりナビ みなと先生のくらしガイド Vol.29
「共働きの節税、何からやる?」――夫婦で手取りを最大化する方法
今号のポイント
- 控除は所得が高い方に集中させるのが鉄則
- 医療費は夫婦合算して一方で申告
- iDeCo・NISA・ふるさと納税の3本柱を夫婦で最大活用
こんにちは。くらしアドバイザーのみなと先生です。
共働き夫婦は世帯収入が多い一方、税金も多く取られがちです。しかし制度を正しく活用すれば、年間数十万円の節税が可能です。
Q1.「共働き夫婦の節税の基本原則は?」
新婚さん「共働きだと節税は難しいですか?」
みなと先生「基本原則は**『控除は所得が高い方に集中させる』**です [1]」
みなと先生「日本の所得税は累進課税なので、所得が高い人ほど税率が高く、控除の恩恵も大きくなります」
| 課税所得 | 所得税率 | 控除10万円の節税効果 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 5,000円 |
| 195〜330万円 | 10% | 10,000円 |
| 330〜695万円 | 20% | 20,000円 |
| 695〜900万円 | 23% | 23,000円 |
| 900〜1,800万円 | 33% | 33,000円 |
みなと先生「住民税(一律10%)も合わせると、所得税率20%の方なら控除10万円で3万円の節税になります [1]」
Q2.「具体的にどの制度を使えばいいですか?」
新婚さん「おすすめの節税制度を教えてください」
みなと先生「共働き夫婦が使える主な節税制度を優先順位で紹介します [2]」
| 優先度 | 制度 | 年間の節税効果目安 |
|---|---|---|
| 1 | iDeCo(2人分) | 約5〜16万円 |
| 2 | ふるさと納税(2人分) | 実質的な返礼品のメリット |
| 3 | 新NISA | 運用益の非課税(長期) |
| 4 | 医療費控除 | 状況による |
| 5 | 配偶者特別控除 | 年収150万円以下の場合 |
みなと先生「iDeCoは掛金が全額所得控除なので、節税効果が最も直接的です [2]。夫婦ともに上限額まで拠出すれば大きな効果があります」
Q3.「医療費控除を夫婦で最大活用するには?」
新婚さん「夫婦の医療費はどう申告するのがお得ですか?」
みなと先生「生計を一にする夫婦の医療費は合算して、どちらか一方で申告できます [3]」
| 申告者 | ルール |
|---|---|
| 所得が高い方で申告 | 税率が高いため節税効果が大きい |
| 所得が低い方で申告 | 10万円の足切りが「所得の5%」に下がる場合にお得 |
みなと先生「所得が200万円未満の場合、足切りラインが10万円ではなく**所得の5%**になります [3]。妻の所得が200万円未満で夫の所得が高い場合、状況に応じてどちらで申告するか計算してみましょう」
Q4.「住宅ローン控除を夫婦で使う場合は?」
新婚さん「住宅購入を考えています。ローンは夫婦で組むべきですか?」
みなと先生「ペアローンや連帯債務なら夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられます [4]」
| ローン形態 | 控除を受ける人 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 単独ローン | 1人のみ | シンプル | 控除は1人分 |
| ペアローン | 夫婦それぞれ | 控除が2倍 | 手数料2件分 |
| 連帯債務 | 夫婦それぞれ(持分比率で) | 控除を分けられる | 一部金融機関のみ |
みなと先生「ペアローンの注意点として、どちらかが退職した場合でもローンの支払義務は残ることです [4]。将来の働き方も考慮して判断しましょう」
Q5.「年間でどのくらい節税できますか?」
新婚さん「全部活用したら、いくらくらい節税できますか?」
みなと先生「モデルケースで試算してみましょう [5]」
モデル: 夫年収600万円(税率20%)、妻年収400万円(税率10%)
| 制度 | 夫 | 妻 | 合計節税額 |
|---|---|---|---|
| iDeCo(上限額拠出) | 約82,800円 | 約55,200円 | 約138,000円 |
| ふるさと納税 | 自己負担2,000円で返礼品 | 同左 | 返礼品メリット |
| 医療費控除(医療費20万円の場合) | 約30,000円 | ― | 約30,000円 |
| 合計 | 約168,000円+α |
みなと先生「さらにNISAの運用益非課税メリットを加えると、長期的にはさらに大きな効果があります [5]。『面倒だから何もしない』が一番もったいないですよ」
まとめ
- 基本原則: 控除は所得が高い方に集中させる
- 3本柱: iDeCo(節税)+ NISA(非課税運用)+ ふるさと納税(返礼品)
- 医療費: 夫婦合算して有利な方で申告
- 住宅ローン: ペアローンなら控除2倍(ただし慎重に判断)