ふたりナビ みなと先生のくらしガイド Vol.36
「万が一のとき、年金はもらえる?」――遺族年金のしくみ
今号のポイント
- 遺族年金は「遺族基礎年金」+「遺族厚生年金」の2種類
- 子がいない妻でも遺族厚生年金は受給できる(条件あり)
- 遺族年金を知ると、生命保険の必要額が見えてくる
こんにちは。くらしアドバイザーのみなと先生です。
結婚して家族ができると、万が一のときの備えを考える必要があります。まず知っておくべきは公的な遺族年金の仕組みです。これを理解してから生命保険を検討すると、合理的な判断ができます。
Q1.「遺族年金にはどんな種類がありますか?」
新婚さん「遺族年金の種類を教えてください」
みなと先生「大きく2種類あります [1]」
| 種類 | 対象 | 受給要件 |
|---|---|---|
| 遺族基礎年金 | 国民年金加入者の遺族 | 子のある配偶者または子 |
| 遺族厚生年金 | 厚生年金加入者の遺族 | 配偶者、子、父母、孫、祖父母 |
みなと先生「ここでいう**『子』とは、18歳到達年度末(高校卒業まで)の子、または20歳未満で障害等級1・2級の子のことです [1]。遺族基礎年金は子がいない配偶者は受給できない**点に注意してください」
Q2.「遺族年金はいくらもらえますか?」
新婚さん「具体的な金額を教えてください」
みなと先生「それぞれの年金額の目安です [2]」
| 年金 | 年額(2025年度) |
|---|---|
| 遺族基礎年金(配偶者+子1人) | 約105万円(816,000円+234,800円) |
| 遺族基礎年金(配偶者+子2人) | 約128万円 |
| 遺族厚生年金(平均年収500万円・加入20年の場合) | 約40〜50万円 |
| 合計の目安(会社員・子1人) | 約145〜155万円(月約12〜13万円) |
みなと先生「会社員の夫が亡くなった場合、子が1人いれば月額約12〜13万円の遺族年金が受け取れます [2]。ただし子が高校を卒業すると遺族基礎年金は終了します」
Q3.「子がいない場合はどうなりますか?」
新婚さん「まだ子どもはいません。夫に万が一があったら?」
みなと先生「夫が会社員の場合と自営業の場合で異なります [3]」
| 夫の職業 | 子なしの妻が受給できる遺族年金 |
|---|---|
| 会社員(厚生年金) | 遺族厚生年金のみ(年40〜50万円程度) |
| 自営業(国民年金のみ) | 受給できない(遺族基礎年金は子が要件) |
| 妻の年齢 | 遺族厚生年金の受給期間 |
|---|---|
| 30歳未満(子なし) | 5年間のみ |
| 30歳以上 | 終身 |
| 40〜64歳(子なし) | 終身+中高齢寡婦加算(年約61万円の加算) |
みなと先生「自営業の夫で子どもがいない場合、妻は遺族年金を一切受給できません [3]。この場合は生命保険での備えがより重要になります」
Q4.「遺族年金と生命保険の関係は?」
新婚さん「遺族年金がもらえるなら生命保険は不要ですか?」
みなと先生「遺族年金だけでは足りない部分を生命保険で補います [4]」
| 項目 | 金額の目安(子1人・会社員の場合) |
|---|---|
| 遺族の年間生活費 | 約300〜400万円 |
| 遺族年金(年額) | 約150万円 |
| 不足額(年額) | 約150〜250万円 |
| 不足額×必要年数(20年) | 3,000〜5,000万円 |
| その他の備え(貯蓄・退職金等) | ▲1,000〜2,000万円 |
| → 生命保険で備える額 | 1,000〜3,000万円 |
みなと先生「計算式は必要保障額=遺族の生活費−遺族年金−貯蓄等です [4]。遺族年金の受給額を知らずに保険を契約すると、保険料の払いすぎになることがあります」
Q5.「共働きの場合の遺族年金はどうなりますか?」
新婚さん「私たちは共働きです。遺族年金で注意すべきことはありますか?」
みなと先生「共働きの場合は、お互いに遺族厚生年金の対象になります [5]」
| ケース | 遺族年金の状況 |
|---|---|
| 妻が亡くなった場合 | 夫は遺族基礎年金(子がいる場合)を受給可能。遺族厚生年金は55歳以上が条件 |
| 夫が亡くなった場合 | 妻は遺族基礎年金+遺族厚生年金を受給可能 |
| 自分の厚生年金と遺族厚生年金が両方ある場合 | 65歳以降は自分の老齢厚生年金が優先。差額分のみ遺族厚生年金として受給 |
みなと先生「共働きでは夫の遺族年金が手薄になりがちです [5]。夫が55歳未満で子がいない場合、妻が亡くなっても遺族厚生年金は受給できません。共働き夫婦はお互いに保険をかけることを検討してください」
まとめ
- 2種類: 遺族基礎年金(子が必要)+遺族厚生年金(会社員の遺族が対象)
- 金額: 会社員・子1人で月約12〜13万円。子がいないと大幅に減る
- 保険設計: 必要保障額=生活費−遺族年金−貯蓄。遺族年金を知ってから保険を決める
- 共働き: 夫の遺族年金は制限が多い。双方の保障を検討する